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purenote 坪井先生にインタビュー「一音一音に心を込めて人前式を」

今回はピアノ奏者であり、pure note代表坪井さんにインタビューさせていただきました。

場所と、ゲストと、ふたりに合わせた演奏

LAPPLE「いつもわたしたちの結婚式では、生演奏のお力をたくさんお借りしています。坪井さんが考える、結婚式の中で、生演奏の強みとはなんですか?」

purenote 坪井(以下坪井)「いちばんの強みは、その場に応じて音を変えられることですかね。生演奏という言葉のとおり、“生“なので、なんでもできるんですよ。BGMであれば曲がシーンの途中で終わってしまう可能性もあると思うんですが、生演奏は、尺にぴったりと合うように調節ができる。

なにより、生で演奏された音は、人のこころに刺さるのではないかと思っていつも演奏しています。」

LAPPLE「わたしたちの心には確実にささっています・・・。ゲストの方の反応でもわかるものですか?」

坪井「わかりますね。特別声を掛けられなくても、こちらを見てくれていたり、表情で、聴いてくれている、いいと思ってくれているか、わかります。」

LAPPLE「そうなんですね。いつも挙式で生演奏に入ってもらうことが多いですが、いい意味で、いつもナチュラルな締めになるのは生演奏の力なのかなと感じています。」

坪井「そうですね。始まりも、終わりも、自然にできるんですよ。CDとかだと、できてもフェードイン・アウトくらいかと思うんですけど、わたしたちはその場の雰囲気に合わせて奏でるので。

音が自然だと、雰囲気が自然になって、ゲストみなさんも自然になるんじゃないかなと思っています。」

LAPPLE「雰囲気によって、とありましたが、場所によっても演奏を変えていますか?」

坪井「はい。場所によって全然違いますね。」

LAPPLE「具体的にどんなことを変えているんですか?」

坪井「曲のメロディは一緒でも、テンポを変えたり、伴奏の仕方で、表現を変えたりします。

最近のLAPPLEさんの婚礼でいえば、ヴィンテージ感があるチャペルでは、会場だけでぐっと雰囲気がつくられているので、誓いの言葉はおふたりの声が響くよう、演奏はしませんでした。その反対に、屋外での挙式では、音がある方が合っているので、基本的にずっと演奏しています。川の近くであれば、川が流れている様子と合わせて、流れるような演奏をしたり、シーンとシーンの間に即興の音を入れることで、雰囲気に合った演奏を意識していました。」

LAPPLE「場所を、音でより引き立ててくださっているんですね。場所の他に演奏を変えるポイントはありますか?」

坪井「場所ももちろんですが、ゲストの雰囲気や力もすごく大きなポイントです。元気な方が多いと、伴奏の仕方も比例していきますし、穏やかな雰囲気であればそれに合わせます。

ゲストがどんな雰囲気でふたりをつつんでいるのかをよく見るようにしていますね。曲選というか曲調ですかね、それを決めています。」

LAPPLE「なるほど。そういった演奏の仕方などは事前に決めておくんですか?」

坪井「曲は事前に決めていくことがほとんどですが、演奏の仕方などは当日現地の場所、おふたりの雰囲気や様子を自分の目で見てから決めています。元々もらっている資料や情報ではわからないこと、言語化できないことって必ずあるので。

例えばAメロ・Bメロ・サビとあると、Bメロってマイナーで低めのコードが多いので、Bメロを演奏しないようにしたり、反対にあえてBメロを演奏することで感動を与えられる雰囲気にしたり。その時に決めますね。」

楽譜よりも優先していること

LAPPLE「場所に合わせて演奏されている中で、軸みたいなものはありますか?」

坪井「そうですね、ふたりの動きを見て演奏をすることですかね。基本演奏者って、楽譜があって、このシーンで、ここからここまでを譜面どおりに引いてと指示されるんです。楽譜通りに、ミス無く、マニュアル通りに音を奏でることが良しとされているので。

でも、私たちは楽譜にforte(大きく演奏)と記載があっても、そこに声があれば声を優先して小さく演奏することを良しとします。ブライダルの演奏に作曲者の意図は関係ないですから。おふたりに合わせた音楽を届けるのが仕事なので。

でも、これって演奏者にとってはすごく不安なことなんですよ。なので、私の事務所にいる方たちは鍛え上げていますね(笑)」

LAPPLE「そうですよね。どんなシーンでも楽譜通りだと、言葉より音が優るようなことが起きてしまいますよね。」

坪井「はい、わたしたちは譜面よりもおふたりの動きや声の大きさを見るようにしています。

あとは、わたしたちは演奏を楽しんでやりたいという気持ちが大きいです。ミスなくきちんとやるのは大前提ですが、演奏者が楽しく、気持ちよく演奏しているのは、必ず周りの人に伝わるので。その方がいい演奏になると思っています。」

LAPPLE「あの素晴らしい雰囲気をつくれるのはそう考える坪井さんたちだからですね・・・坪井さんは、ずっと結婚式での演奏のお仕事をされていると思いますが、どんなやりがいがありますか?」

坪井「ふたりに合った音楽を演奏できたときに、『やった』と思いますね。その達成感は大きなやりがいです。あとは、この仕事を高いクオリティでやるのは自分にしかできないことと思ってやっています。」

言葉に音をのせる

LAPPLE「先日の婚礼でのシーンもすごく印象に残っています。あの歌い出しのタイミングは坪井さんだからできたことですよね。

― 挙式の最後に、ゲストが順におふたりの元へ行き、お花を渡し、ブーケを完成させるセレモニーを。そのシーンの最後には、ゲスト全員で『愛を込めて花束を』を歌った。」

坪井「あの時、私が演奏しているところからゲストの様子が見えなかったんですよ。だからゲストがあと何人で完了するのかもわからなくて。本来は、全員がお花を渡し終わって、司会者さんの合図があってから、全員でサビを歌い出すのが理想だと思います。
でも、まだゲストがお花を渡している時に、何人かが口ずさみ始めたんです。これは、ゲストに音を合わせた方がいいと思って、サビを引っ張らずに演奏を続けました。
司会者の合図より先にサビに入っていったので、本当だったら指示に背いていることになるんですけど、あれは経験と感覚で判断してしまいました。」

LAPPLE「でもそれは、ここで音が合わせた方がいいという判断と、そのあとの着地をしっかりできるスキルがあるからこその判断かと思います。素晴らしいシーンを作ることができましたよね。」

坪井「正直演奏しながら焦ってはいました。あとどれくらいの尺なのかもわからないけど、ゲストは盛り上がっているので。うまくまとめられるかなと・・・。

その時も強く思ったのですが、演奏と司会者さんとの呼吸を合わせることは本当に大事で。

わたしは、司会者さんの声に、言葉に、音を乗せるのが好きなんです。」

LAPPLE「LAPPLEは司会者さんをものすごくこだわっているので、その言葉に音がのることで、ゲストの感情を動かすことができているのですね。」

坪井「実は、これまでの結婚式で、もっともっとできたなと思ったりすることもあるんです。慣れていない屋外の会場とかだとどういう音を出せばいいのか迷ったりも。そんな時に司会者さんのことばに助けられることがあります。最初は音を入れなかった予定のところに、言葉にのせて音をつけたり。司会者さんだけでなく、おふたりに導かれることもありますね。

先ほどミス無くやるマニュアル通りでの演奏の話をしましたが、pure noteとしても、坪井留美としても、マニュアルはないんです。会場と、ゲストと、その時のみなさんの雰囲気と言葉でイメージを作っていっています。」

LAPPLEはあたたかいチーム

LAPPLE「最後に、これまで多くの結婚式を一緒につくっていただきましたが、坪井さんが思うLAPPLEとは、どんなチームですか?」

坪井「人と、人への思いで成り立っているなと思います。とことんふたりと向き合った結果のプランニング。
そして、LAPPLEさんと一緒に結婚式をつくる、クリエイターの方々も、自分たちのお仕事だけでなく、ふたりのことを考えた上での行動をしているのを感じます。

私たちもアーティスト同士向き合って、信じ合っているので、人を思うことが好きという、同じ気持ちでいられていることをいつも感じます。仕事ではありますが、いつも根底に楽しいという気持ちがあります。

あったかくって最高のチームですね。」

LAPPLE「坪井さんは社長でもありますが、今後もプレイヤーであり続けますか?」

坪井「そうですね。ほかの社長仲間にはやめた方がいいとも言われますけど、絶対にやめません。ずっとこのあったかい気持ちを感じたいので、これからもずっとプレイヤーでいたいですね。」

<プロフィール>

PURE NOTE(ピュアノート)

代表 坪井留美

名古屋市を拠点に関東・関西方面含めて、ゲストハウスを中心に人前式の生演奏を年間1000件以上もの行なっている会社を運営。

挙式演奏・出張レッスン・イベント企画・演奏会など、幅広く毎回チーム編成を組みながら勢力的に活動をしている。

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