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染めから手作業でアンティークと現代らしさの表現を | Rosey Aphrodina Wedding

「情景が一生心に残る結婚式」を目指し、共創している仲間たちを紹介していく新企画。

 

日々いい結婚式の形を追求するLAPPLEの視点から見た、誇れる仲間の商品力や作り手の想い紹介していく企画が第4弾に入りました!

(慣れないライティングに汗を書きながら綴っておりますが、たくさんの感想の声をいただけてとても嬉しいです!)

 

今回は、西尾市にアトリエを構えるRosey Aphrodina Wedding(ロジィアプロディーナウェディング)の、ドレスデザイナー久保田千絵さんにお話を伺いました。

アンティークな雰囲気をまとった手仕事で丁寧に作られているドレス。日本女性に似合うデザインを常に追求していることと、一つ一つデザイナー自身が丁寧にアトリエで制作している事が特徴とされています。

周りを巻き込み、熱く情熱を燃やし続けているその原点に迫っていきたいと思います。

 

 

1.ドレスデザイナー  久保田千絵さんのご紹介

初めてお会いしたときから、明るくハキハキとした人柄の中に、揺るぎない信念を感じたことを覚えています。

まずは、千絵さんのドレスデザイナーまでの道のりをご紹介いたします。

 

◇今の生き方に影響を与えたもの

生まれは岡崎市の西尾育ち。

実はこの世界を目指すきっかけとなったのは中学生の頃でした。

思春期を迎え、自分の外見にあまり自信を持てなくなっていたときに、周りの人から私服や持ち物を褒めてもらうことが多くなり、ファッションの力によってコンプレックスを克服。

その後、高校生のときにアーティストのYUKIさんに大きな影響を受けます。

音楽とファッション漬けの高校時代を過ごす中で、ミュージシャンの衣装を考えるスタイリストという仕事がある事を知り、東京の専門学校へ進学。

スタイリングを学ぶうちに、衣装を全て一から自分で作りたいと思うようになりました。

 

それから、2004年に今のRosey Aphrodina Weddingの根幹となる、レディースブランドRosey Aphrodinaを立ち上げます。

このときはまだウェディングのデザイナーではなく、ファッション中心のデザインを手がけていました。

その間に、さまざまなショップ、ブランド、百貨店などの限定ショップにも精力的に参加し、アーティストの衣装制作にも携わります。

 

 

◇ドレスデザイナーへ開かれた道

人生の大きな転機となったのは2010年のときでした。

東京で自身初めての個展を開催した際に、メインオブジェとしてドレスを制作したのです。

その際に、このドレスを着たいというお客様と出会い、第一号の花嫁さんとなりました。

 

当時を振り返ると、オリジナルウェディングが世間でも注目し始めていた頃。

このお客様の結婚式では、当日フィッティングを行い、挙式後は立食パーティで「ぜひ参加して行って」という花嫁さんからの言葉がありメイクさんとともに最後まで参加することに。

この時パーティを実際に見たことで、結婚式で自分が作った衣装が着てもらえる喜びを感じたのです。

目の前で花嫁さんの幸せな様子や、ゲストからの祝福の言葉をもらっているのを聞いて、こんな日に携われる仕事がいいなと新たな目標も芽生えました。

 

そして、2011年に本格的にウェディングドレスのデザインにも着手。

2年後には東京で初の路面店となるアトリエサロンを構えます。

2017年からは地元愛知に拠点を移し、キッズブランドの立ち上げなどを経たのちに、2020年に今の西尾駅前にアトリエ、スタジオ、サロンを兼ね備えた店舗をオープンさせました。

 

地元を離れてからもずっと心にあったのは、いつか故郷で仕事がしたいという想い。

東京でのさまざまな経験が、今も大きく活かされています。

 

 

2. 作られるドレスの特徴とこだわり

それでは続いて、Rosey Aphrodina Weddingのドレスの特徴とこだわりをご紹介いたします。

 

◇アンティークドレスへのこだわり

アトリエに足を運ぶと感じられるのは、統一された世界観。

自身がヨーロッパのアンティークが好きということもあり、古き良き時代のデザインからインスピレーションを得て、現在の日本人女性に似合うドレスデザインを考えています。

 

特に大事にされているのは、デザインにおいては日本人に似合うものであるとのこと。

 

単に海外のアンティークと呼ばれるドレスを着ると、日本人の骨格や肌の色との違和感が出てしまう事があるそうです。

そのため西洋の古き良き時代のデザインをオマージュしながらも、日本人の花嫁様にしっくりくるデザインを新しく提案したい。

骨格、肌の色、目の色、髪の色にしっくり馴染む、着ていて違和感なく落ち着くドレスである事も千絵さんが目指すデザインの一つだと語られました。

 

ドレス見学に見える方で多いのは、ウェディングドレスに憧れが持てず、結婚式はしなくても良いかなと感じている方。

大袈裟な事がしっくりこなかったり、ご自身が主役になる事を控え目に考えていらっしゃる方が多いようです。

それでも、例えば親御様から何もないのは寂しいというお声があり、色々調べだした中で見つけてくださることが多いのです。

そして、試着をされた方の9割以上は実際に結婚式や、フォトウェディングで着る選択をされます。

 

お客様からは、「ドレスを着るのが楽しみになった」「やっと結婚式の準備が楽しくなってきた」という声が多いとのこと。

今の流行りに流されない、一般的なウェディングドレスではないものを探している方に、特に喜んでいただいているようです。

ウェディングドレスを着る事に消極的な方の、ウェディングドレスへの印象をガラリと変える力を持っています。

 

 

◇ドレスに使う素材のこだわり

取り扱うアンティークレースなどの素材は、古き良き物を後世に残し伝えることを大事にしています。

また、地球環境を考えて、ドレスを作った際に余った生地はキッズ用になったり、その後はファッションに使ったりも。

いつかは土に還るものを使いたいという想いで、基本的にはコットンとリネンを使うようにしています。

ドレスを着て動いたり、風が吹いたときにドレスの裾がなびくのも特徴です。

 

お話の中で、コロナ前から考えてはいたけど、コロナ禍になって今まで当たり前に思ってきた地球がこのまま続くかどうかはわからない。

地球の中のひとつの生命体として生かせてもらっているので、この先も地球がいい環境であるようにという願いがあると話してくれました。

 

ただドレスをデザインするだけではなく、この先の未来、地球のことも考えている。

そのことに、驚いたとともにすごく共感しました。

 

 

◇唯一無二の紅茶染め

そして、最大の特徴と言ってもいいのが、Rosey Aphrodina Weddingのシンボルでもある紅茶染めされたドレスです。

アンティーク感と、現代らしさを持ち合わせたデザインを表現するための技法として用いられています。

これも、日本人に似合うように工夫されたもので、Rosey Aphrodina Weddingのデザインに多く施さられているのが特徴的。

 

理想の生地に仕上げるためには大変労力がかかっていて、すべてが手作業で細かな配慮が必要です。

鍋で紅茶を煮ながら生地に色をつけていくのですが、気温や季節によっても染まり方がまったく異なります。

長年の経験と、生地の特徴を理解していないと成し得ない技法。

アンティークドレスと呼ばれる所以がここにありました。

 

一般的なアンティークドレスや、ナチュラルなデザインは、ボリューム感だったり、シンプルさ故にリアルクローズとの差があまりない印象になってしまい、花嫁衣装として物足りなさを感じてしまう事も。

だからこそ、千絵さんは花嫁要素である「華やかさ」をデザインに取り入れ、ナチュラルさやアンティーク感とのバランスを大事にデザインをされています。

この「ナチュラル」、「アンティーク」、「花嫁らしい華やかさ」のバランス感覚は、他には無い唯一無二なドレスを扱っていると自負していらっしゃいます。

 

 

3. 新しいウェディングのカタチ

常に歩みを止めない千絵さんが、2021年に新しくリリースした新サービスがあります。

 

◇花のフォトウェディング

以前ブログでご紹介した、フローリストepanouirの伊藤さんと、Rosey Aphrodina Weddingがコラボレーションして生まれた「花のフォトウェディング」というオリジナルプラン。

これまでも、コロナ禍で多くのお客様から支持をされているフォトウェディングサービスを、epanouirさんのアトリエで行います。

こちらは、千絵さんがプロデューサーとして、フラワーデザイナーやフローリスト、フォトグラファー、ヘアメイクアップアーティストとともに創り上げています。

同じドレスでもその人に合わせたコーディネート次第で印象が大きく変わるデザインが得意で、髪飾りやヘッドドレス、空間演出のプロデュースまでトータルバランスでデザインを提案しているのです。

スタイリストを目指していたことが、デザイナーとして活かされているとのことでした。

 

そして、この花のフォトウェディングで特徴的なのが、何といっても洗練された空間演出。

四季折々の花々を贅沢に使用し、一般的な結婚式では実現しづらい世界観の中に入り込むことができます。

お客様の雰囲気によっても色が違い、生花、枝物、ドライと、様々な花材を使用して作り込まれる空間に、私たちクリエイターも毎回心を奪われるほど。

この世界観とRosey Aphrodina Weddingのドレス、タキシードの相性が抜群なのです。

 

また、アンティーク家具なども使用して、アトリエ内でこれほどまでに撮影カットがあるのだと驚きました。

最近では屋外で撮影するロケーションフォトも人気ですが、天候に影響されず安心してきれいな夫婦写真を残すことができます。

大きな結婚式は自分たちらしくないと思われる新郎新婦さんの気持ちにも寄り添った、まさに今の時代に合ったフォトウェディング。

私たちWEDDING LAPPLEも、この空間で挙式セレモニーのプロデュースで携わらせていただいています。

 

4. ドレスが出来上がるまでのプロセス

続いては、どのようにしてオーダードレスが仕上げっていくのかをお伺いしました。

 

◇ドレスができるまでの工程

①デザインを考える

デザインを考えるにあたり大きく2つのパターンがあるようで、ひとつはデザインが降りてくるパターン、もうひとつはお客様の色に染まるよう考え抜かれたパターンです。

従来のウェディングドレスよりも、気取らず、自然体でいられるナチュラルさの中に、特別な日を彩るに相応しい唯一無二な華やかさを兼ね備えたスタイルをご提案しています。

 

②生地を探す

デザインが決まれば制作に必要な生地探しです。

メインで使うもの、袖、レースなどその時々により進め方は違います。

例えば、レースを購入する際には、フランス、イギリスのディーラーさんから仕入れることが多いようです。これまでたくさんの生地を見て接してきた中で仕入れのノウハウもありますが、一番大事にしているのは、自分の心が躍っているかどうか。

その場では具体的にどんなデザインに使うか浮かんでいなくても、ときめいた物は確保しておいて、はまるデザインが降りてきたときに使う場合もあるようです。

こうした生地に、デザインによっては紅茶染めをして仕上げていきます。

 

③型紙を作成

これまでは、完成までの全行程をひとりで行っていましたが、最近では型紙を作るパタンナーさんとの出会いでよりいいドレスに仕上げることができるようになったと言います。

0を1にするのがデザイナーだとすると、1を5にも10にも引き上げることができるのがパタンナーさんの力なんだとか。

スタートとゴールはデザイナーで、その過程にある工程を行うパタンナーさんのことを信頼していました。

 

④仮縫い

型紙を作るまでの時間がとても労力を使うようで、この先はイメージしていたものを形にできるよう制作に入ります。

トルソーに着せて細かな調整をしながら仮縫い作業を進めていきます。

信頼の置けるパタンナーさんに出会うまでは、一人ですべて行っていたと思うと扱うスキルの高さに驚かされました。

 

⑤本縫い

仮縫いから本縫いを経て、花嫁さんにフィティングをして完成です。

今までデザイナーとは、出来上がる工程の苦労など泥くさい部分は見せず、美しく出来上がった物だけを見て頂く方が良いと思っていました。

しかし、今では大切なドレスが作られる過程やプロセスも見てもらいたいとおっしゃっていました。

 

お話を伺うまではイメージでしかなかったものが、具体的な工程と労力、制作時間を知ることで、改めて1着のドレスの価値を感じることができました。

 

◇人生に携われる仕事

千絵さんから、ウェディングドレス制作だけではなく、この先は取り扱う商品を循環させていきたいと教えてくれました。

デザイナー、ディレクターとして、幅広い知識と経験を生かして、人の人生に携わる仕事をしたいという想い。

結婚式で着るウェディングドレスから、マタニティフォトドレス、お子様が生まれたらキッズのハーフバースデーや七五三、卒業袴に成人式と今もそれぞれの人生の節目に携わるディレクションをしています。

そして、最終的には、ウェディングドレスを着た花嫁さんの娘さんの結婚式でもドレスを着てほしい。

こうして、人生を一周させるよう回っていくのが最大の夢ですと。

 

 

6. アトリエ詳細

◇アトリエ情報

【住所】

愛知県西尾市花ノ木町5丁目20-1階

※店舗横に1台無料駐車場有り

 

 

【営業時間】

不定休で完全予約制となっております。

ご来店の際は、事前にRosey Aphrodina WeddingさんHP「ご来店予約フォーム」からご予約ください。

 

【電話番号】

0563-33-9287

 

◇まとめ

今回は独自の世界観を突き詰めながらも、日本人女性に似合うドレス制作を行ってるデザイナー千絵さんにお話を伺いました。

 

ウェディングドレスは人生で初めての買い物(選ぶもの)になります。

洋服を選ぶときでも、買ってから失敗してしまったと感じるものがあるように、花嫁さんが自身自分に似合うドレスを選ぶのは難しいことかもしれません。

千絵さんは、判断が難しい場合のポイントは、ドレスを着ると落ち着いてしっくりくるかどうかと、テンションが上がるかどうか。

このどちらかを感じられるかが大事だとおっしゃっていました。

もしも、そのような気持ちにならない場合は選ぶ必要はないと思いますと。

 

すでに結婚式場を決めていて、これからドレスを提携店の中から探す中で、ふと疑問に感じることがあればぜひ頼ってください。

結婚式だからと言って、正装とは?豪華な方が良いかな?とか真っ白じゃなきゃ駄目かな?とか、堅苦しく考えてしまう方もいると思います。

しかし、一番大切なのは自分の好きに正直になって探してみるということではないでしょうか。

 

もし自分の好きがあまり分からないなという方は、デザインやコーディネートのご提案をしながら、ご自身が着ていて落ち着く物、しっくりくる物が見つかるまでとことんお付き合いいただける方がいます。

花嫁さんの期待と不安に寄り添い、トータルコーディネートのご提案で結婚式を楽しみに変えることができるデザイナー千絵さん。

ぜひ手仕事のぬくもりがあるドレスに触れて、その価値を体験してみてはいかがでしょうか。

 

 

WEDDING LAPPLE

セレモニーディレクター

東 浩二

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