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マタニティウェディングを迎えるあなたへ

お腹に赤ちゃんがいる中での結婚式の場合、体調面の不安だけではなく、母親になる戸惑いや新しい生活へのプレッシャーを感じている方もいるのではないでしょうか。

それでも、生まれてくる新しい命とともに結婚式を迎えようと決意されたのには理由があると思います。

「結婚式を挙げてよかった!」

そう思える1日になるように、マタニティウェディングを創る上で新郎新婦にも創る側にも知っていただきたいことをご紹介いたします。

ぜひ参考にしていただけると幸いです。

 

1、マタニティウェディングで気をつけること

女性にだけしか経験することができない、出産という人生の中でもとても大きな出来事。

私自身は男性なのでその経験はできませんが、近くで妻の妊娠、出産を見てきました。

その中で、経験することはできないが、勉強することはできると思い、本を読んだり妻からも話を聞くようにしていました。

そこで、自身の経験も交えながら、今回はマタニティウェディングの迎えるにあたり気をつけたいことやたいせつにしたいことをお伝えできればと思います。

 

◇気をつけたい言葉のかけ方

まずは、結婚式を創る側に伝えたいこと。

私自身もプランナーとして今まで10組ほどのマタニティウェディングを担当させていただきました。

ほとんどは初めてお会いする時からすでに妊娠されている方でした。

プランナーを初めて1年目の頃は、妊娠されているということだけで「おめでとうございます」と第一声に言葉をかけていました。

 

しかし、本当に第一声にこの言葉がふさわしいのかと考えるようになりました。

もちろん望んで妊娠される方もいれば、突然のことでまだ心がついていってない方もいると思ったのです。

おめでとうございますの言葉がプレッシャーになる場合のあるのではないか。

そう思うと、第一声で当たり前のように伝えるのはやめました。

 

それよりも、今の気持ちを聞くことが大事だと思うのです。

純粋に嬉しいと思っているのか、少し不安を感じているのか、その気持ちによってかける言葉も変わってくるのです。

一番は、新婦の気持ちに寄り添って言葉を選ぶこと。

理解してくれていると思ってもらうことが大事なのです。

 

◇つわりの種類

続いてつわりの種類について。

一言でつわりと言っても人それぞれで対応できることが違います。

プランナー1年目の時の私は、「つわりはどうですか?」と聞いていましたが、本来はどのようなつわりがあるのかを聞かないといけないのです。

それでは、主なつわりをご紹介します。 

 

・吐きつわり

これは、吐き気と嘔吐を繰り返す症状です。

原因はさまざまですが、匂いや温度差など少しの刺激を受けるだけで吐き気を催してしまい、常に胸焼けになっている状態です。

もし見学時などに体調がすぐれない場合は、遠慮せずに休むことを選びましょう。

横になることで少し楽になる場合もあります。

 

・食べつわり

これは、口の中が空っぽになっていると気持ちが悪くなってしまう症状。

常に飴やお菓子などの食べ物を口に入れておくと、症状が和らぐことがあります。

相談会に参加している時でも、気を遣わずに何か食べるようにしましょう。

 

・匂いつわり

普段はいい匂いと思っていたものでも、急に気になり苦手になってしまう症状です。

ご飯の匂いですら気持ちが悪くなるという方もいるほど。

対処法としては、自分の落ち着く匂いを探して持ち歩くといいでしょう。

柑橘系やミント系など、好みの匂いのアロマスプレーやエッセンシャルオイルを見つけておくのがお勧めです。

 

・寝づわり

他のつわりと比べると、まだいい方と思われそうですが、とにかく眠くてだるいのが特徴です。

日中でも睡魔に襲われて、集中力も低下して仕事をしている方でも仕事に身が入らなくなります。

この場合も無理せずに休むことしかありません。

 

・よだれつわり

これは、寝ても覚めてもよだれが溢れてくるというもの。

外出しなければいけない場合には、大きめのタオルを持ち歩くのがお勧めです。

寝るときには枕元に洗面器など、すぐに吐き出せるものを置いておくのがいいでしょう。

 

 

人によってはまた違った種類のつわりを抱えている場合もあり、妊娠5週目から長ければ16週目やそれ以上続く方もいるようです。

結婚式準備もしなくちゃと焦っても、体調が良くなければ進めることができないので、一番は無理をせずに過ごすことが大事です。

 

◇支えてあげたい心のケア

そして、何よりも妊娠することで女性の心は不安定になります。

今までバリバリ仕事をしていた方であれば、妊娠育休中に仕事が変わってしまうのではないか。

また、突然のことで気持ちがついていかない方や、将来を不安に思う方などさまざまです。

だからこそ、男性は相手の言葉に耳を傾け向き合って支えてあげてください。

ときには理不尽だと思うこともあるかもしれませんが、すべてをぶつけられる存在がいるだけで支えになれているのです。

 

2、生まれる前と後でのメリットデメリット

それでは、妊娠がわかってから結婚式を挙げるのであれば、生まれる前と後とではどちらがいいのかを考えます。

 

◇生まれる前に行う場合

生まれる前に行う場合のメリットは、今着たいと思えるドレスを着ることができやすいということでしょうか。

また、いろんな不安もあるかもしれませんが、子どもが生まれてくると子ども中心の生活になるので、ふたりの時間をしっかり取れるのは生まれる前です。

 

逆にデメリットとすれば、つわりがひどい方の場合は準備どころではありません。

会場を見に行ったり相談することもできないかもしれません。

やはり、体調を最優先に考えたいですね。

 

◇生まれた後に行う場合

続いて、生まれた後に結婚式を行う場合のメリットとしては、つわりからの解放で体調を崩しているということは少なくなります。

また、子どもも参加する場面を創って、写真や映像にも残すことができるのがいいところですね。

 

反対にデメリットとしては、子ども中心の生活になるため、結婚式のことを考えるのが面倒くさくなる可能性があります。

予算面でも、結婚式以外に費やしたくなったりする可能性もあったりで、なかなか集中して準備をできる心境ではなくなるかもしれません。

 

 

◇どちらでもたいせつにしたいこと

そこで、生まれる前でも後でもたいせつにしたいことは、ふたりの子どもと一緒に結婚式を創るということ。

生まれる前であっても、結婚式の準備をしながらお腹に向けて今の気持ちや、結婚式当日に生まれてくる子どもへのメッセージを残したりしませんか。

生まれてきてからであれば、ぜひ親子3人での時間を創りたいですね。

写真や映像で、その時の様子をしっかりと残して、いつか我が子が結婚するときに見返したりできるといいですね。

 

 

3、マタニティウェディングの当日までの流れ

それでは、具体的にマタニティウェディングを創るとなった場合に決めていくことをご紹介します。

 

◇ゲストのリストアップ

まず初めに行うのは、結婚式をするなら誰を招待するかを考えること。

この人数によって、どの規模感の結婚式にするのか、結婚式場見学やフリープランナーなどどのように進めていくのかが見えてきます。

大きくは、家族中心で行うのか、友人も呼ぶのかで変わってくるので、しっかりとふたりと家族とも相談して決めていきましょう。

 

◇結婚式でこだわりたい優先順位を決める

希望の人数が出てきたら、その人数に合わせた会場やプランナーを探しましょう。

マタニティウェディングの場合、結婚式当日の体調が万が一すぐれないということも考えると、時間にゆとりを持てる会場がお勧めです。

1日で多くの結婚式を行なっている会場よりは、貸切で使えたり開始時間が融通のきく会場だと安心ですね。

 

◇衣装選び

そして、妊婦としては一番の悩みになるかもしれないのが衣装選びです。

着たいスタイルがあっても、どれくらいお腹が出てくるのかで本当に着れるのかと悩みますよね。

結婚式を挙げるタイミングとしては、安定期に入ってからの妊娠5〜7ヶ月がいいとされます。

それ以上いくと、どんどんお腹も出てくるのでドレスを着るのにもリスクが伴ってきますね。

ちょうどつわりの時期に衣装見学に行かないといけないなんてこともありそうなので、着てみたいスタイルを調べておくといいでしょう。

 

◇招待状の発送

マタニティウェディングの場合の準備期間は、3ヶ月〜1ヶ月ほどです。

ということで、招待状を送るのも結婚式の1ヶ月前くらいになることも。

そこで、招待する方が決まり日程も決まったら、事前に電話などで結婚式の日付をお伝えしましょう。

また招待状を書面で送るのではなく、ウェブ上で送ることもできるので、少しでも準備の負担を減らしたいところですね。

 

◇進行の内容

当日の進行に関しては、時間にゆとりを持って組んでいくのがいいでしょう。

一般的に披露宴時間は2時間30分ほど。

その時間をどのように過ごすのかを打ち合わせで決めていきますが、写真を撮る歓談の時間はゆっくり取りたいですね。

動き回るとその分身体への負担はかかってしまうので、無理せずに座ったままでもゲストと写真や会話を楽しめるプログラムを考えていきましょう。

 

◇各種アイテムの打ち合わせ

その他にも、料理の内容やケーキのデザインを考えて打ち合わせします。

飾るお花やブーケ、ゲストに送り引出物、記念に残るアルバムや映像の種類を決めたりと、3〜1ヶ月の間に色々と決めていくことが出てきます。

 

 

それでも一番伝えたいのは、準備を頑張りすぎないこと。

無理をしすぎて体調を崩してしまうのが一番心配なことなのです。

新婦さん本人だけではなく、新郎さんや周りの方々も協力しながら打ち合わせを進めていきたいものですね。

 

 

4、当日を迎えるにあたり

いろんな準備を経ていよいよ迎える結婚式当日。

ここで考えていきたいことはなんでしょう。

 

◇ゲストにも伝えるべきかどうか

マタニティウェディングでは、初めから妊娠されてご相談される方もいれば、すでに会場が決まっていて打ち合わせを重ねている段階でわかるという方もいます。

この場合に、ゲストへは赤ちゃんがいるということを伝えた方がいいのでしょうか。

 

これは難しい判断ですが、もし安定期に入っている状況であれば伝えておけると安心だと思います。

全員がわかっている状態であれば、ゲストからもケアができるからです。

当日までに全員伝えずにという場合であれば、披露宴が始まってからのオープニング挨拶で伝える方法もあります。

その上で、みんなが新婦の体調に敏感になってくれるので気を遣いすぎることはなくなります。

 

◇最優先は新婦の体調

やはり、結婚式当日で最も大事なのは新婦の体調です。

結婚式という非日常の空間ということで、目には見えない緊張やプレッシャーを感じる方も多いと思います。

 

それでは、実際に結婚式当日に体調を崩された方の結婚式でその対処方をご紹介します。

打ち合わせではほとんどつわりがなく、いつもスムーズに打ち合わせを進めてきました。

それでも、結婚式を2週間後に控えたあたりから、少し体調が良くない日が出てきたと報告をうけました。

この時はすでに6ヶ月目に入っていたので、安定期には入っていました。

 

そして迎えた当日。

前日に今まではなかったお腹の張りを少し感じていたようです。

着替えに入ってからも、大きく体調を崩したり気持ちが悪くなることはなく、挙式も無事に終わり披露宴も無事に始まりました。

しかし、前半の歓談中にいつもより少し様子が違うと思い声をかけると、少し体調がよくないかもということで、少し控室で休憩を取ることにしました。

 

少し休めば回復するかと思い、新婦が戻るまでは次に予定していた進行を進めずに待つつもりでしたが、実は体調が悪化していき戻ってくるのが難しい状況になりました。

その間は、新郎さんひとりで予定していた時間を過ごしてもらったり、料理長とも相談して料理の出し方を変えてもらい新婦がいない時間でも間延びしないよう工夫したのです。

 

そして、休憩に入ってから1時間くらいが経つ頃にようやく体調も良くなり再びパーティ会場に戻って続きの時間を過ごすことができるようになりました。

その間に、予定していた進行の順番を組み替えて、料理も予定を変えて出すなど、ゲストも不安に感じないようにさまざまな工夫をしました。

 

おふたりが楽しみにしていたケーキカットイベントや、キャンドルを使った演出もすべて組み替えて行うことができました。

結婚式本番に体調を崩してしまうと焦る気持ちもあると思いますが、何より体調を最優先に考えることが大事なのです。

その裏では、スタッフがどうすれば最善の策なのかを考えて対処してくれるはずです。

 

5、まとめ

今回はマタニティウェディングを行う上での、気をつけたいことやたいせつなポイントをご紹介いたしました。

新しい命を授かるということは、とても素晴らしいことで幸せなことです。

ただ、その気持ちを受け入れるタイミングも人それぞれで、体調も一概に同じとは言えません。

 

それでも、結婚式を通じて夫婦の絆が深まり、さらには生まれてくる子どものことも愛おしく楽しみに感じてもらえることができればいいなと思っています。

一人でも、夫婦だけでも抱え込まずに周りにいる先輩ママや先輩夫婦にも相談しましょう。

もちろん、一緒に結婚式を創っていくプランナーのことも頼りながら、3人にとって宝物となる時間を創っていきましょう。

 

そして、パパママになる前の恋人夫婦の時間もたいせつにしてくださいね。

「結婚式を挙げてよかった」そう思える時間になりますように。

 

WEDDING LAPPLE プランナー東浩二

 

 

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